『SHY』第一巻 感想

美樹ぶきみ先生の『SHY』を読みました。

主人公のシャイこと紅葉山輝は内気な中学生。否応なく目立ってしまうヒーローという立場ではあるが、その内気さから自分の殻に閉じこもってしまう場面もある。私も内気な性格なのでシャイに強く感情移入し、物語にのめり込みながら読めた。

劇中では、青臭く恥ずかしいとも思える暑苦しいセリフが飛び交う。しかし、その"クサい"セリフが、ヒーロー物を見ていた幼少期から成長し、少し大人になった自分の心に強く刺さった。本作は単純な勧善懲悪ではなく、人の心をテーマにした作品である。特に、主人公の友人が「自分の過去、内面とどう向き合っていくのか」という問いに立ち向かうシーンではそのテーマが強く描写されていた。

内向的になってしまいがちな自分だが、少し人に心を開こう、勇気を出して何か行動しよう、と思わせてくれる作品だった。まわりの環境とともに成長していくシャイの今後が楽しみだ。